重要:未承認医薬品・医療機器について
天王寺矯正歯科が導入している「マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)」は、薬機法(医薬品医療機器等法)において、日本国内の医療機器承認を得ていない装置です(完成物薬機法対象外)。
そのため、万が一の副作用等に対する「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となる可能性があります。当院では、歯科医師の管理・責任のもとで本治療を提供しています。
【承認されていない理由】
日本国内で医療機器として承認されるためには、「承認済みの材料使用」「日本の国家資格を持つ者が製作」「既製品の場合はその装置が承認済みであること」などの条件が必要です。
インビザラインは、型取りに使用する口腔内スキャナー(iTero)等の材料は薬事承認されていますが、アライナー(マウスピース本体)は海外の工場にてロボットが製作するカスタムメイド製品です。この製造過程の特性上、現在の日本の法律では薬機法の対象外となります。
入手経路
米国アライン・テクノロジー社の製品であり、その日本法人である「インビザライン・ジャパン合同会社」を介して入手しています。
海外での安全性評価
1998年に米国FDA(食品医薬品局)の医療機器認証を受けており、世界100カ国以上、900万人を超える患者様に提供されている実績があります(2020年時点)。
※日本国内での承認データとは異なるため、国内においては安全性に関する情報が不足しているとみなされます。
治療のデメリット・リスク・副作用
マウスピース矯正には多くのメリットがありますが、医療行為である以上リスクも存在します。
内容をクリックして詳細をご確認ください。
- 装着時間の厳守: 1日20時間以上の装着が必須です。装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かず、治療期間の延長や結果の不備につながります。
- 交換スケジュール: 1~2週間ごとにご自身で新しいマウスピースに交換していただきます。
- 紛失のリスク: 取り外し可能なため、外出時などに紛失しないよう管理が必要です。
- 痛み・違和感: 新しいマウスピースに交換した直後(数日間)は、歯が動く痛みや締め付けられるような違和感が生じることがあります。
- 発音・口内炎: 初めは発音しにくい場合や、口内炎ができることがありますが、多くは数週間で慣れます。
- 咬み合わせの変化: 食いしばりが強い方は奥歯が噛み合わなくなるケースや、顎関節症の症状(カクカク鳴る、痛みなど)が出ることがあります。
- 虫歯・歯周病リスク: 装置を装着したまま糖分を含む飲み物を摂取したり、歯磨きが不十分だと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- 歯根吸収・歯肉退縮: 矯正力により歯の根が短くなったり(歯根吸収)、歯茎が下がったり(歯肉退縮/ブラックトライアングル)することがまれにあります。
- 歯髄への影響: ごく稀に、歯の移動による衝撃で神経が壊死し、変色することがあります。
- 適応症例の限界: 骨格的な問題や重度の歯列不正など、マウスピース矯正だけでは対応できない症例があります。
- 補助装置の併用: 治療の進捗により、ワイヤー矯正やゴムかけ、アンカースクリュー等の補助器具が必要になる場合があります。
- 後戻り防止: 矯正終了後は、保定装置(リテーナー)を一定期間装着し続ける必要があります。
- 保険適用外: 審美・機能を目的とした自由診療(自費)であり、健康保険は適用されません。
- 救済制度の対象外: 国内未承認機器を用いた治療のため、公的な副作用救済制度は適用されません。
デジタル印象採得装置(iTeroなど)について
天王寺矯正歯科では、従来の粘土のような型取り材による不快感を軽減するため、光学スキャン装置(デジタル印象採得装置)を使用しています。
- 法的区分:
- 薬機法で承認された医療機器です。
- 特徴:
- お口の中をカメラでスキャンし、その3Dデータを用いて矯正装置の設計やシミュレーションを行います。従来の型取りに比べ、吐き気などの不快感が大幅に軽減されます。